「デジタルセールス」と言われてピンとくる方も多くなってきたのではないでしょうか。
はい、営業職ですね。
とは言っても、昔なつかしの営業ではなく新しい時代の営業職です。
IT化やAI隆盛に伴い、プログラミングが脚光を浴びていますが、有形だろうと無形だろうと「物を売る」という儲け方が変わらない以上営業職はなくなりません。
総務省統計局「労働力調査 長期時系列データ」からも、全職種に占める営業職の割合が全体として下がってはいないことからもわかります。
AI化に伴い営業はなくなると言われることもありますが、それは「旧来の営業がなくなる」であり「新しい時代に即した営業」のことではありません。時代に対応できる営業職はむしろより一層必要とされていると言って良いでしょう。
今回は新しい時代に必要とされるセールス手法、営業について歴史とともに見ていきましょう。
営業の歴史
人類最古の職業は聖職者と娼婦だというジョークがありますが、何を以て職業とするのかの定義によるものの「営業」を「利を得るために業を為すこと」と考えれば営業職も相当に古い職種であると言えるでしょう。
比較的簡単にみなさんがイメージする「物を売って歩く」人と考えると行商の発生あたりからになるでしょうか。あくまでも商人であり営業職ではないと言われるかも知れませんが、学術的に述べたいわけではないので細かいことはさておいて、余剰生産物を売ることで利益を得るという商行為自体はハンムラビ法典にも記載のあるカルタルムあたりが確実な商人として認められるでしょう。
現代の営業
現在の営業職がそのイメージを固め出したのはまず高度経済成長期、根性と努力で稼ぐ営業職でしょう。
今ならブラック認定されてしまいそうな……壁に売り上げグラフが貼られていたり、ノルマ未達で叱られたり、なぜか叱られたことに感謝したりとそういうイメージの営業職。ですが、豊かな日本にしたのはこういった時代に「モーレツ社員」であった人たちです。
高度経済成長が落ち着いた後の1970年〜1980年代頃には、さすがにそういった熱血営業は減ったものの基本的には「足で稼ぐ」営業の時代。とにかく数をこなせ、ですね。
これはネットが存在しないという時代背景を考えれば当たり前。
ARPANET開始が1969年、TCP/IPが公表されたのが1973年、日本でDNSが運用が開始されたのは1989年。
この時代にインターネットという便利な代物はありません。顧客先に行くにも地図を片手に公共交通機関や自分の足で行かねばなりませんし、事前に情報収集するにも先輩や他の顧客から直接聞き出すしかないわけですから時間も手間もかかります。とにかく足を動かして数こなすことが有効だった訳です。
これがインターネットの普及で大きく変貌を遂げます。
事前情報を簡単に集められるようになり、業務の効率化が行われ、無駄撃ちするより確実に成果を獲得できるような営業手法に変わりました。
御用聞き営業が、提案営業に変わったわけです。
売るモノも変わってきた
もちろん今だって、足で稼ぐ、人脈で売る営業手法が有効な商品だってありますしそうでない場合もあります。
要は適切な方法で売るということですね。
ただ、急速なIT化により社会構造も変化、それに伴って「売るモノ」における無形商材の比率が高くなりつつあります。もちろん有形商材がなくなることはありませんが、有形商材の「売り方」も店頭に並べて待つだけでなく積極的にアピールする、そもそも店頭販売の機会が減っているなど大きく変わっています。
有形であろうと無形であろうと、何をどう売るかを改めて考え直し営業手法を変えて行くことが求められているのです。
そんな時代の変化を表す象徴的なものが、今回お伝えしているデジタルセールスとなります。
デジタルセールス
まずデジタルセールスとはなんぞや、から定義しておきます。
ITツールやSaasを用いて顧客の課題解決提案をする営業職
だいぶ狭く定義づけしましたが、つまり、
売るモノ=無形商材であるITツール・Saas
売る手法=インサイトもしくはソリューション営業
ということです。
求人サイトなどでよく見かける言葉であるものの「おや?インサイトとソリューションは何が違うわけ?」と思われた方もいるのではないでしょうか。
インサイト営業とソリューション営業
どちらも「顧客の課題解決」を目指す営業であることに変わりありませんが、
課題を発見するところから始めるインサイト営業
既知の課題を解決するソリューション営業
と考えればわかりやすいでしょう。
例えば「思うように売り上げが伸びずに困ってるんだよね」からスタートして、「何が原因なのか」から探り自社製品に合わせた提案を行うのがインサイト営業で、「何が」はある程度顧客側で認知しておりそれが例えば「営業事務の非効率」が原因であればそれを自社製品で「どう」解決できるかを提案するのがソリューション営業になります。もっと言えば「別に困ってることはないよ」という企業に対して実はこの部分は課題になっているのではないかということを発見し、解決に導くことだってインサイト営業の場合はあり得るわけです。
インサイド営業とインサイト営業
もう一つ、ここでは触れていませんがよく見かけるものとして「インサイドセールス」があります。
インサイトセールスとは一文字「ド」と「ト」の違いでしかありませんが、まるで違うものなので注意してください。
インサイドセールス(営業)はアウトサイドと対になる言葉であり、外回り(アウトサイド)営業に対して内勤(インサイド)営業をするものです。
あくまでも営業の「やり方」を表したものですね。
デジタルセールスで求められるスキル
インサイトであろうとソリューションであろうと、デジタルセールスでは
・顧客と円滑なコミュニケーションを行なって聞き取りやすい関係を作り
・ヒアリングを正確かつ漏れなく行い
・集めた情報から課題を見抜き
・現状→課題→対策→提案
をわかりやすく表現し提案する能力が求められます。
これら営業としてのスキルに加えてITツールやSaasをセールスする以上、
・業界知識
・ある程度のプログラミング知識
も要求されるでしょう。
自社が開発しているツールが例えば「ブラウザ上で動くものなのか、アプリをインストールするものなのか」も知らないのでは困りますし、「顧客が持つ既存のデータを移管できるものなのか」などを考え、カスタマイズなどの話を技術者と行う場合に最低限必要な知識もないので話にならないという状況にならない、そういったレベルの知識は必要でしょう。
デジタルセールスになるために
会社としてデジタルセールスに対応できる研修や教育を行なっている場合は良いですが、そうではない、またはそうなる動きもない、という場合はどうでしょうか。
自ら働きかけて研修や教育のあり方、それに伴う就業規則や人事評価制度の変更などを促進させるという行動もまたインサイト(社内)営業であり新しい時代に即したデジタルセールスを担う人材には求められる資質かも知れませんが、実際はそう簡単にはいかないもの。
十年も二十年もそういった改革改善への働きかけに費やせない、若いうちに新たなステップへと進んでおきたいという場合は転職を検討するのもありです。
ただ、その際にも適切な転職行動を選びたいもの。
デジタルセールスになるという目標が定まっているのであれば、特化したエージェントを選択するのが最善です。
「マーキャリNEXT CAREER」はデジタルセールスに特化した転職エージェントサービスです。
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