AIDMAはもう古い?マーケティング理論、どう活用していますか。

マーケティング理論って役に立つの?

こんにちは、AkrosAcademyです。

さて、みなさんはマーケティング理論は学ばれていますか?
会社で研修の一環として学んだり、自己啓発のひとつとしてセミナーに参加したり、あるいは自分自身の経験と勘こそが最高のマーケティングだという方もいるかと思います。
私は新入社員の頃、「理論だけ学んでも意味がない」と実地として最寄り駅で通行人観察を叩き込まれました。

どれが正解ということではなく、組み合わせて成果をあげられることが最高だと思いますが、経験と勘はともかくとして理論は座学なりネットなり書物なりでまず知識として知っておかなければなりませんね。
そこで今日は、マーケティング理論で検索したり話題になったりした時に、最もよく目にするであろう「AIDMA」についてお話したいと思います。

AIDMAとは?

消費者の購買決定行動モデルのひとつです。
と言うと堅苦しいですが、要するに

「ユーザーはどんな気持ちや行動を経て、商品を購入するのだろうか」

ということです。

何がわかる?

AIDMAを考えることでわかるのは、
①消費者がその時、その商品に対してどんな状態か
②だから次のステップに進んでもらうために何をしなければならないか
です。
消費者の行動や心情を把握することで、自分たちが消費者にどうアプローチしていかなければならないかを考えることができる訳ですね。

では、例としてスマホを挙げてひとつずつ見ていきましょう。

A(Attention・気を引く)

市場にはiPhoneをはじめたくさんのスマホがありますが、まずは「お?こんなのあるんだ」と注意をひきつけなければなりません。
つまり、「知らない」状況から少なくとも「知ってはいる」という状況になる行動です。
テレビでCMを見たり電車の中で広告を見たりして、

「へぇ、iPhone11ってスマホがあるんだ」

になることが、AIDMAのAです。

ここで企業側がしなければならないのは、いかに多くの人に知ってもらうかという認知度向上のための努力です。
主には広告を出すことで露出度を高めるという業務になりますね。

I(Interest・興味を持つ)

その商品があることを「A」で知ってもらったら、次は「どんな商品なんだろう?」と興味を持ってもらわないといけません。
つまり、
「どんな機能があるのかな」
と思ってもらうことが大事です。
ここでは商品の魅力を感じさせる努力が必要となり、具体的には店頭でモックではなく実機を触ってもらうようなサービス展開が必要とされるでしょう。

D(Desire・欲しいと思う)M(Memory・記憶する)

どんな機能があるのかを知って貰えたら、次はただ知っただけではなく「欲しいな」と思ってもらうことです。
まだまだこの時点での消費者は、スマホの実機をじっと見てスイっと触ってみて「ふーん」と思ってぽい、と置いて次の機種に興味が移ってしまう程度だと考えましょう。
その人たちに、決定打はないけれども「なかなか良い機種だ」とちょっと欲しい気分になり、でも別の機種と比較するために「この点は良かったな」と記憶しておいてもらわないといけません。
でないと、次に良い機種があったらiPhoneの良さを忘れられてしまいます。

その消費者にとって「何が基準となっているのか」を先読みして、「選択基準にぴったり」ハマればここで購買となりますが、不特定多数を相手にする商売の場合はなかなかそう上手くはいきません。
ですので、できるだけ多くのメリットを提示し、比較選択のひとつに入れてもらえるように良かった点を記憶してもらうことが大事です。

A(Action・買う)

最後の行動が購買する行動です。
これも、スマホのように不特定多数を相手にする商品では、その場で決定と行くことはそれほど多くはないでしょう。
すると消費者は「あれはここが良かったな」「これはそこが良かったな」と記憶(Memory)した状態で持ち帰って検討、となります。
では、そこから購買(Action)に至る最後の決定打は何でしょうか。

購買するチャンスです。

どれほど良いと思ったものでも、一度チャンスを逃すと二度と手に入らない、そんなプレミアム商法もあるといえばありますが今回のスマホの場合は適用できません。

近くに店があるか、Webサイトから簡単に申し込みできるか。
「手に入れやすさ」を提供することで自社商品を買ってもらうチャンスを拡大することができます。

AIDMAはもう古い?

ここまで読んだ方は、おそらく最初のAの段階で「テレビCM?電車の広告?今はそこじゃないよなあ」と思われたかも知れません。
あるいは、「店頭とか実機って……今どきじゃないな」とも。

そうですね、現代はWebで様々なことが完結する時代、記憶は記録でしょうし、興味を持ったり欲しいと思う前にググったりしているかも知れません。
最初のAttentionも、広告じゃない可能性も高いですよね。

そんな現代に合わせて、今はAIDMAではなくAISASというモデルで考えることもあります。
これはA(Attention)I(Interest)までは同じですが、S(Search)A(Action)S(Share)と続きます。
最後のSが最初のAに繋がって行きますので、たしかにより現代の行動様式に近い感じがしますね。
もちろん、基本的な購買行動と心理という点では業態や業種によってはAIDMAで考えることもあるでしょう。
重要なのは、自分が考えたいことにどちらが合っているのか、を見極めることです。

理論は知っているだけでは役に立たない

今回はスマホを例にAIDMAという消費者行動に当てはめ、どのタイミングでどう考えてアプローチすれば良いか考えてみましたが、大事なのはAIDMAAISASが何かを知っていることではありません。

スマホを販売する人が世の中にどれだけいるでしょうか?
基本無料なので、掲載数は現在最も多い求人媒体と考えられるIndeedで「東京 携帯ショップ」の正社員求人が926件、
マイナビでおよそ50件、その他求人媒体もありますが相当数が重複していますので、およそ重複しない各社独自の求人数が70%あるとして1求人媒体あたり35件、媒体が主要8媒体程度として(926*0.7)+(35*8)= 928件、はからずもほぼIndeedでの求人数と同じになりましたが、今回の例であげた内容をそのまま使えるのは東京都で働くたった928人(入社1期あたり)です。

各年齢層で期を分けて1社あたり10期あったとして9,280人、業界最大手のTガイアが従業員数4,500人ほどですので何となく都内で働く携帯ショップ定員数にはあっていそうです。
その9,280人ならそのまま使えますが、東京都の労働者数7,680,000人の0.12%でしかありません。

残りの人たちは、自分たちの業種に合わせて考えなければならないわけです。
この前段でも言いましたよね?
そう、マーケティング理論で重要なのは「自分の業種・業態、業務ではどう考えれば良いだろうか」と応用できることです。

マーケティング理論の初歩を学び、企画の基本構成を知っておこう

応用できるためには、引き出しの数は多ければ多いほど良いですね。

今回の企画ではAIDMAなんて不要だ、別のモデルで考えなければ。
……別の?他に何があるんだ?

とならないために、できるだけ多くのマーケティング理論を、概念として抑えておく、そして必要な時に必要な理論を引き出しから持ってきて使う。

そのためにAkrosでは、「はじめてでもわかる、企画のために必要なマーケティング理論と企画書の基本的な構成」に関する授業を2つご用意しました。

10/23 (水) 10:00-12:00
10/23 (水) 16:00-18:00
マーケティング理論の「最初の一歩」 マーケティング理論を学び企画書を作る

10/30 (水) 10:00-12:00
10/30 (水) 16:00-18:00
マーケティングの基礎の基礎を学ぶ 企画提案の基礎・企画書作成のイロハ

まずは、上司や先輩にどやされない企画書を作りたい、上司や先輩が使っている用語を聞き返さなくても済むように理解したいという方は是非受講してみてください!