失敗したくない、初心者のためのカメラ選び② 〜画素数が多いときれいに撮れるのか〜

前回(失敗したくない、初心者のためのカメラ選び)に続き、カメラのお話です。
今日は一眼のカメラにしようかな、と何となく考え始めた方向けに、ではどんなカメラがきれいな写真を撮影できるのかを「センサーサイズ」「画素数」で話していきたいと思います。
今回も初心者向けですので、専門的な単語や正確だけど初心者にはわかりにくい、という説明はないよう頑張っていきます。

価格の違いって何だろう

さて、一眼カメラを購入することに決めた方が次にあたる壁は、値段の違いはどこにあるんだ?ということでしょう。
例えばカメラ大国日本においても有名なNikonの公式サイトを見てみましょう。

ニコンイメージング 一眼レフ

出典元:ニコンイメージング

大きさが微妙に違うのはわかりますが、形は似ているし……。
うーん、と悩んだところで気になる価格を調べてみると、

価格.com 比較

出典元:価格.com

価格.comでNikonのサイトに隣あわせで並んでいたD850とD7500でこんなに価格が違う?!
え、え、なに、何でこうなるの、となりそうですが、

ニコン 比較

出典元:価格.com

ん?

ニコン 比較2

出典元:価格.com

んんん?

この二つ、記載されている内容で明らかに違う単語が。
D850は「フルサイズ」、D7500は「APS-C」と書いてあります。
この違いが、20万円以上の価格差となっているのです。

撮像素子(イメージセンサー)の大きさ

これが前回出てきた「撮像素子(イメージセンサー)」の違いです。
前回の図を思い出して下さい。

イメージセンサー
一眼レフであってもミラーレス一眼であっても、撮像素子がレンズを通して見えている被写体を画像にするのだ、と説明しました。
乱暴な説明ではありますが、カメラはカメラ、何しろ見えているものを画像として残すことが仕事なので、これがカメラの心臓部にあたる訳ですね。

では実際にフルサイズとAPS-Cで何がどれくらい違うのか見てみます。

撮像素子比較
部長の私物であるSONYのカメラを強奪してレンズを外し、比較に使ってみました。
わかりづらいんですが、左のα55がAPS-C、右のα900がフルサイズです。
カメラの中にある鏡の奥に「撮像素子」があります。

フルサイズの方が大きく、それだけレンズを通して入ってきた光を集めやすくなっています。
光を集めやすいということは、それだけ高画質に、きれいに、明るく、ぼかしも自然に、撮影ができるということになります。

APS-Cってどこにも書いてないんだけど

フルサイズとAPS-Cの違いがわかったところで、ではとメーカーや量販店サイトを見てみると、実はどこにもAPS-Cと書かれていなかったりします。
これがわかりにくいところで、各社で独自の呼び方したりしているんです。

例えばNikonなら、フルサイズは「FX」、APS-Cは「DX」となっています。
デラックスの略称みたいで、何か良い響がある単語にしたんでしょうね。
Nikonから言わせると「いや、DXフォーマットはDXフォーマットであって、APS-Cではない」んでしょうけど、初心者としてはNikonのDXはAPS-Cだと思っておけば良いでしょう。
キヤノンとSONYは「フルサイズ」「APS-C」表記なのでわかりやすいです。

あれ?画素数が問題なんじゃないの?

さて、フルサイズがきれいに写せるんだ、と思ったところでちょっと気になることが。
カメラのカタログを見たり、各メーカーの売り文句、量販店でも「○○○○万画素!」と謳っているのをよく見ますよね。
店員に聞いても「このカメラは何と○○○○万画素もあるんです!」と言われたり。

なので、カメラの良さは画素数だと思ってしまいがちなんですが、ここで再びNikonのカメラを見てみます。

NikonD5

出典元:ニコンイメージング

あれ?D850の更に上の機種がある?
なんだ、そんなに良いのがあるならこれがいいな、値段は……

NikonD5価格

出典元:価格.com

お、おう。(そっとじ)

そう、Nikonにはプロ用として最上位機種のD5というのがあります。
これはそんなに画素数が凄いのかと見てみると、

Nikon画素数比較

出典元:ニコンイメージング

おや。
それほど画素数は多くない……というより、コンデジより少ないですね。
iPhoneXの画素数が1,200万画素ですから、それと大差ないです。

プロ用なのに画素数が少ない、そう、写真のきれいさと画素数は殆ど関係ありません。
では画素数って何に関係するのかと言えば、これは印刷する時の出力サイズに関係してきます。
説明すると長くなるため、いつか講座をやりたいと思いますのでそちらに譲りますが、何にしても「画像のきれいさは画素数ではなく撮像素子による」と考えておけば間違いないでしょう。

結論

一眼のカメラを選ぶ時のまとめです。

①長時間じっくり撮影、レンズも色々使う、動体も撮影する、手ブレしないよう自分でも頑張る
→一眼レフ
②バッテリーは気にならない、動体もあまり撮影しない、コンパクトが良い、手ブレはカメラに任せられる
→ミラーレス一眼

そして今回の、

③画素数は気にしない
④フルサイズかAPS-Cか

となります。

フルサイズとAPS-Cにどれほどの違いがあるかと言うのが問題になりますが、素人目に違いがあるようには見えません。
また、あまり高機能で色々なメニューがあっても最初は使いこなせません。
まずは一眼に慣れること、色々撮影してみること、なので初心者向けにはAPS-Cが良い、ということになるでしょう。

まあ、最大の問題は値段なんですけど。

初心者のためのカメラ選びシリーズ

01. 失敗したくない、初心者のためのカメラ選び
02. 失敗したくない、初心者のためのカメラ選び② 〜画素数が多いときれいに撮れるのか〜
03. 失敗したくない、初心者のためのカメラ選び③ 〜コンデジの選び方とおすすめカメラは〜
04. 失敗したくない、初心者のためのカメラ選び④ 〜一眼の選び方とおすすめカメラは〜