テンプレートの落とし穴

こんにちは! 花粉症で涙、鼻水、くしゃみと顔面から水分が出まくりで、脱水症状を起こしそうな勢いの名駅校の平田です。
おかげさまで、瞼が腫れて、目つきの悪い一重が憧れの二重になって”ぱっちりおめめ”になる、という期間限定のバージョンアップ状態です。
(下向いて、目を大きく見開き、そのままゆっくりを顔を上げると、あら不思議、そこには二重になった自分の顔が・・・。おかんに瓜二つにございます・・・orz)

さて、先日、企業研修先でWordPressの説明をしていた際に「毎度、これの説明が難しいなぁ」と思ってたことをそれなりにわかりやすく説明出来たので、その話でも。

WordPressでもそうでないCMSやネット上に落ちているものでも同じですが、テンプレートなら置き換える・入れ替えるだけで作れるんじゃね?と。
テンプレートであれば簡単に出来る、と思われがちですが、それにはある前提条件が揃わないと無理です。

  • 使うテンプレートと作りたいサイトのページやコンテンツ構成が合っていること
  • ある程度、HTMLやCSSが編集出来ること(なんとなくでもいいから、どこを触れば、どこが変わるのか、など)
  • 写真素材や原稿がテンプレートに使われているものと合っていること(サイズや枚数、文章量など)

ほかにもあるかもしれませんが・・・。
これらの条件が揃えば、「置き換える」ことと、ちょっとした編集でいける「かも」しれません。

実際にやってみるとわかるんですけど、テンプレートとか使って作るのって「テンプレート」であるがゆえの難しさがあるんです。

テンプレートの難しさ

テンプレートって何が難しいか、っていうと「最初っから決まっている」ということ。
たとえば、こんな流れで制作が進んだとします。

「予算がないし、簡単なサイトでいいからテンプレートとかありモノで作ってみて」
「わかりましたー!ページ数はこんな感じで、テンプレートはこれを使いましょう」
(かなり端折ってますよ)
で、実際にテンプレートとサイトマップのページ数を確認せずに作り始めると、「あれ?」ってことになります。

何が起こるのか、というと

ページ数が余ったり、デザインが崩れます。レイアウトもおかしくなったり、重要なものを置きたい場所に置けなかったりします。

例えば、最近なんかはカードタイプというか、トップページに色々とサイト内のコンテンツを配置したりするデザインを多く見受けますが、「余る」んです。
実際に、そんなにページ数のないサイトを構築する場合、そんなにコンテンツがないので、テンプレートのデザインを編集して削っていく。すると、どうでしょう?さっきまですっごくよかったトップページデザインがあれよあれよ、とおかしなものに。若しくは、3つ横並びになっているコンテンツブロックに実際にコンテンツを当て込んでみると、「すっごく無理やり感」のあるコンテンツが並んだり(これを分ける必要なくね?って内容が3つならんだり。このブログのトップがいい例です)、4つ並べたいけど、3つしか入らない、とか。

そのテンプレートデザインって、サイトのコンテンツ数やページ数、コンテンツの優先順位ありき、で構成されているので、見た目のデザインや動きの良さだけで作ろうとすると、全く想像と違うものになります。テンプレートはパララックスになってるのに、それってパララックス使う長さじゃなくね?とか、そのデザインやUIには、意味があって、使われているんです。だから、使うテンプレートを決める前にコンテンツやページ数を決めて、原稿量もある程度確認しておいてから、テンプレートを決めるべきなんですよね。

そんな説明受けてもイメージがつきにくい

とはいえ、こういったことをお伝えしても、ピンと来ない。来てもらえない。
そりゃそうだ。触ってもないもので想像しろってのがそもそも難しい。ということでいつものように例え話で説明します。

例えば、印刷物の作成で冊子を作成する場合に、先ず、何を掲載するのか、内容を洗い出して、そこからページ数や台割りを決めていきますよね?
それが、予め16ページの冊子と決まっていて、でも掲載する内容はどう頑張っても8ページ分しかない・・・そうなった場合に残りの8ページはメモ帳で真っ白で作成しますか?しませんよね。
要はテンプレートってそういうものなんです。冊子のテンプレートでページ数が変えられない、変えると表紙のデザインが狂ってしまう、とか全体の構成が狂ってしまう。
それならば、初めから8ページのテンプレートを使えばいい、ということになります。そう、冒頭で申し上げた「使うテンプレートと作りたいサイトのページやコンテンツ構成が合っていること」ってそういうことなんです。

また、住宅で考えた場合に中身は空っぽ、若しくは家具付きでないモデルハウスをそのまま購入、となった場合に、部屋数が余ったら削れるか、といったら削れないし増設もそんなに簡単ではないですよね?
建売の場合も然り。イチからデザインや構造を起こすのがオリジナルのサイトであれば、住宅ですとそれは注文住宅であり、ページ数や構造、構成が決まってるテンプレートは建売住宅に該当します(誤解を招きそうなので予め言っておきますと、テンプレートを使ったさいに、ページ数は増やせない、ということではないです。技術力や構成を変えるチカラがあれば、それは可能です。ただ、工数が発生するので、予算も増えていきますよってだけで)。

それと、もうひとつ

これと似てる、ってわけじゃないですけど、コンテンツSEOですよってことでオウンドメディアの作成を推奨される機会が増えていますし、提案することも増えているでしょう。
提案する側もされる側も、「実際に継続して運用をしていく」ことが念頭にあって、そういったものを作成するのは全然構わないんですけど、「誰が何を書いていくのかを決めず」に導入を決めてしまうことがあります。「え、まさか?」と思うかもしれませんが、よくあります。

元々、他社サービスでもいいから、自社ブログとかを記載しているんであれば、それを他社サービスから自サイトに切り替えるのはいいんです。
問題は新たに始める場合で、目的が集客に偏ってしまい、具体的に内容を決めず、導入を決めてしまうこと。例えば、制作会社に提案されて面白そうと思って導入を受けたのはいいけど、んじゃ実際に誰が書いていくの?ってところ。これは基本的には制作側で箱となるサイトやブログは作りますけど、記事を書くのはお客さん側です。サイトに関わることだから、WEBに関わることだから、と制作会社が作ると思っていませんか?

ブログの仕組みやブログそのものは作成してもコンテンツである記事は基本的にお客さん側で書いていくのが通例です。若しくは原稿をいただいて、制作側が保守の範囲内で記載していくカタチでしょうか。
そうでなければ記事作成代行業者(若しくはフリーのライターとか)に依頼をして記事を書いてもらうことになるかと思います。それも、ある程度のボリュームが必要です。で、それを継続していく必要があります。それを提案する側もされる側も念頭に置いて提案する、受けてくださいね。もちろん、お客さん側から「欲しい」と言われたら作るのが制作でもあるので、作りますし、書き方もお伝えはしますが、記事自体は専門ではないし、勝手に書くわけにもいかないです。

テンプレートやどこかのサイトを真似て作るにも、内容や納品後の運用も考えたうえで、作らないと、いざ制作始めたら、「あれ?こんなはずでは」とか、納品後に「こんなの聞いてない」「こんなはずではなかった」なんてことにはならないようにしましょう。